時代小説

2018年09月14日

本② 「花だより」高田郁 《時代小説》

「花だより」~みをつくし料理帖特別巻~ 
  作者:高田郁 角川春樹事務所刊(600円+税)
 
  「食」の基本となる食べ物(料理)って何?

       

 ★人気作「みをつくし料理帖」シリーズ
 (料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、
  それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説)
 その完結後の特別編です。

 大阪で、夫と暮らし始めた澪だが、夫源斉は
過労と苦難のために倒れ、食物が喉を通らなくなる。
食べられなくなった夫のために澪が辿り着いた献立は…?
…それは、江戸育ちの源斉が慣れ親しんだ、素朴で懐かしい
味だった…。


 
       
澪が心身ともに弱った夫のために作った、
その献立は何でしょう…?

ここでは明かしませんが、ただ、
「最後の晩餐に何を選ぶか?」と訊かれたら、
私もこれを選ぶかなと思うようなものでした。

豪華なものではないけれど、澪が語っているように、

どれほど材料に拘り、贅沢に走ったところで、
心のない料理は「天」とはなり得ない。裏返せば、
子どもの頃から親しんだ味、誰かが自分を思って
作ってくれた味。そんな記憶に残る味が、病人を
病から遠ざけるのだろう
(p281)

私は、おなかをすぐ壊すので、肉や油ものなど、
豪勢な(?)料理は全く食べられない。
それって「食」の楽しみが半減するようで、つらい。

けれども、本来の「食」は、
素朴で滋養深く、心のこもったものであることが
大事なんですね。

       

 *出典:「花だより」~みをつくし料理帖特別巻 
  作者:高田郁
 
 角川春樹事務所 2018.3刊(600円+税)








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turiann at 18:08|PermalinkComments(0)