樹木希林

2019年04月11日

本(7) 「一切なりゆき」≪新書≫

2018年9月に亡くなった
樹木希林さんの本を読みました。


「一切なりゆき」

「一切なりゆき~樹木希林のことば~」
 著者 : 樹木希林
 文春新書 2018.12.20第1刷発行
 800円+税


目次より、
第1章 生きること
第2章 家族のこと
第3章 病のこと、カラダのこと
第4章 仕事のこと
第5章 女のこと、男のこと
第6章 出演作品のこと


これを見ると、誰もが人生のどこかで考える
内容がほとんどです。
私も今、「病のこと、カラダのこと」
「仕事のこと」「生きること」を考える年に
なってきました。
飄々と生きた(ように見えた)彼女の考え方を
参考にしてみたいと思って読みました。


        

まず、
写真がいいですね~!

・1973年、結婚式での写真
かわいい樹木希林さんが、笑顔で内田裕也
さんと手をつないでいる写真。


・2017年に撮られた2枚の家族写真
樹木希林さんご夫妻と、
娘の也哉子さんとモッくんの夫婦、
そしてその子供たち(希林さんの孫3人)。

表紙の笑顔の写真もいいですね。
この笑顔は、樹木希林さんご自身も気に
入っておられたようで、

穏やかないい笑顔で笑ってました。~中略~
仏教用語で「顔施」という言葉があると思う
んですが、この顔を見たときに、フッと人が
何かを感じるのであれば、人に何かを施した
ことになるだろうと。


と書いてあります。

          
    
「写真」といえば、我々の世代は、
フジカラーCMを思い出しちゃう…。

着物姿の樹木希林がお店にやってくる。

希林「これプリント、フジカラープリントで
 お願いします。お見合い写真なものです
 から、特に美しく。」
岸本「フジカラープリントなら、美しい人は
 より美しく、そうでない方は
…」
希林「そうでない方は?」
岸本「それなりに写ります。」
希林「それなり…。」

 ↑これですよね。
「フジカラープリント」とかでネット検索
すると、動画で当時のCMが出てきたのは、
懐かしくてビックリでした。



         

本の中で、
特に印象に残った内容が2つありました。


★1.執着しない

「欲や執着があると、それが弱みに
 なって、人がつけこみやすくなる。」

「アンチエイジングというのもどうか
 と思います。」
             (第1章より)


物は最低限しか持たないようにしていて、
靴は3足だけにしていたとか。
服は人から譲ってもらった物をリメイクして
着たり。

友達の旦那さんが亡くなって、いらなく
なった股引などまでもらって使っていた
というエピソードも…!

「だから私の下着はみんな前が開いてるの(笑)」

股引

って、スゴイ。


そして、物だけではなくて、
人生に欲や執着を持たない(執着が無い)。
年をとることも受け入れて、楽しむ。
「あら、こんなことが出来ないわ。」なんて
いう風に。
そして、出来る範囲で生活する。
病気だって受け入れる…。

「不自由なものを受け入れ、
  その枠の中に自分を入れる」


そんな言葉を読んで、
何だか少し自分の考え方が楽になりました。
ふと力が抜けたというか。
「病気」を、『治さなきゃ』とか『どうにか
ならないのか』とばかり捉えていたけれど、
それは、「健康」への執着かもしれない…。
執着しすぎるのではなくて、病気も自分の
年齢的な衰えの一部として捉え、おなかの
弱さを受け入れて、少しゆっくり生活して
いくとよいのか、と。
「諦め」というのとは少し違って、
走ってばかりいた今までの生活とは異なる
生活を、肩の力を抜いて楽しむ自分が
イメージできたような…。
アンチエイジングに力を入れるのではなく、
年齢を重ねて老いていく方を向いて
生きていく。
そうすれば、自然と老いに対しても
準備が出来る気がしてきます。
だから、樹木希林さんは「死」に向けても
ちゃんと準備が出来たのかなあ。

「過敏性腸症候群」の人で仕事をしている
人の中には、「セミリタイア」という選択
もあるようで、
仕事は減らして生活するスタイルです。
現在「勤め人」の私は、自分で勝手に仕事量
を減らすことはできませんが、今後「転職」
や「自分自身での仕事(自営?起業?)」
「リタイア」など、様々な道を模索して
みようかと思います…。




★2.俯瞰的に物事を見る

「俯瞰で見ることを覚え、
どんな仕事でもこれが出来れば、
生き残れる。」

        (第4章より)

 ※俯瞰(ふかん) : 高所から見下ろすこと。
        全体を見渡すこと。
        例:歴史を~する 
         *出典:三省堂国語辞典



はああ、なるほどな、と思いました。

仕事において、全体的に見ていれば、
今自分がどう動くべきかが分かる、
ということですね。


私は、次のようなことも思いました。

自分が当事者になっている時は、どうも冷静
ではいられない…。そうなると物事は正しく
見られない。
後で振り返ると、『バカだなあ…あの時は
ムキになりすぎたわ』と恥ずかしくなったり
するんだけれど。

車で煽ってる人を客観的に見ると『何カッカ
してるんだろう、アホやなあ…。』
と思うのと同じかな。

今の自分の気持ちがどうかではなくて、
今の状況はどうなのか、客観的かつ全体的に
物事を見てみることですね。
焦ってあたふたするな、と。
大きな視点で捉えると、ちっぽけなことだと
気づくこともありますね。

鳥のように空から見下ろすような
「心の余裕」をまずは持ちたいです。












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turiann at 10:00|PermalinkComments(0)